マンション購入で失敗しないために:『マンションを買うまでに読む青本』vol.8

2019年8月22日

マイホームを買おう!と思ったら、多くの人がまず気になるのが「住宅ローン」のことかもしれません。一生の中でも1、2位を争う大きな買い物といわれる住宅購入をギャンブルにはできませんよね。前シリーズ『マンションが買いたくなったら読む赤本』でマンション購入を決めた山田さんのお宅の事例を通して、住宅ローンを利用するときのポイントをおさえましょう。

最終回となるvol.8では、万が一購入したマイホームに住み続けられなくなった場合の対処法を見ていきます。一生の一大イベントであるマンション購入を確実に成功させるためには知識と心構えが必須です。本シリーズを通してもっと深く学びたいと思ったら、ぜひ不動産の体験セミナーに参加してみてください。

住み続けられなくなったときの2つの選択肢

マンションを「売る」メリット・デメリット

分譲マンションを購入しても、さまざまな事情から転居を余儀なくされたり、転売して新しい家に移り住むケースは決して珍しくありません。マンションを売る場合と貸す場合、それぞれのメリットとデメリットについて考えてみましょう。

まずは、売る場合を見ていきます。売る場合のメリットは、景気が良くなって不動産価格が上昇したり、立地のいい人気物件である場合、購入時よりも高い値段で売れる可能性があること。デメリットは、環境の変化や管理状態によっては、購入時の価格よりかなり低い値段でしか売れないケースがあることです。売る場合の売却金額は、近隣の不動産会社に査定を依頼するのが一般的です。その際、近隣の物件の売却金額も確認し、それらの相場とかけ離れた査定額ではないかチェックしてみましょう。また、売却に伴うコストも同時に見積もってもらうことを忘れてはいけません。

マンションを「貸す」 メリット・デメリット

貸す場合のメリットは、「定期的に収入が得られる」「利回りが安定している」「減価償却費として計上できるため、節税効果がある」「礼金などの収入を得ることができる」などが挙げられます。しかし、「借り手がつかなければ収入が入らない」「リフォーム代など初期費用がかかる」「固定資産税などの税金や火災保険料、管理費などがかかる」「設備の修繕費や居室のクリーニング代などがかかる」「前の借り手から次の借り手に移行するまでに1カ月から数カ月かかる」などのリスクやデメリットもあるので、甘い考えで臨むのは禁物です。そして、貸す場合も売るときと同様に、不動産会社に依頼するのが一般的です。毎月の家賃で管理費、修繕積立金などのコストをまかなえるかどうか、事前にきちんと確認しておきましょう。運営や管理を不動産会社に委託する場合、賃料の何%かを毎月支払わなければならないことも忘れずに。

「マンションの賃貸経営は儲かる」と一般的に言われますが、家を人に貸すには少なからずリスクがあることを忘れてはいけません。貸すか売るかは、そのマンションの資産価値やローン残高、家族のライフプラン、賃貸経営者としての資質が自分にあるかどうかなど、さまざまな要素をしっかり検討してから判断する必要があります。「いざというときは賃貸に出せば何とかなる」などという安易な発想は危険。そのマンションに住み続けられなくなったら、慣れない賃貸経営でストレスを感じるより、売却して身軽になったほうがむしろ賢明かもしれません。

マンション購入を、 ギャンブルにしてはいけない

マイホームを「買う」選 択・「買わない」選択

美香:マンションという大きな買い物には、私たち家族の人生がかかっているということがよく分かったわ。何も知らないままモデルルームに行ってその場の勢いで決断するのは、免許もないのに車を走らせるようなものね。危険だわ。

翔太:不動産購入は一生の一大イベントだからこそ、失敗は許されない……あれ? 美香、最近ちょっと太った?

美香:…..実は、おなかの中にもうひとりいるの(ニコッ)。

翔太:えっ!?  そうか、やったあ! よし、そうときたら家族みんなで楽しく元気に暮らせる広い家を買おう! 頑張るぞぉっ!

「先行きが不透明だから賃貸のほうが安心」「数千万円もの高い買い物をするくらいなら、身軽な賃貸のままでいい」と、あえて買わない選択をする人もいれば、「どうせお金を払い続けるなら、最終的に自分の資産になる分譲のほうがトク」「老後のゆとりと安心感がほしい」「子や孫に財産として残すことができる」と、買う選択をする人もいます。どちらの選択肢を選ぶかは、本人のライフスタイルや将来の人生設計によって異なってくるでしょう。あなたがもし「買わない」という選択をして賃貸住宅に住むなら、早いうちから老後の資金を貯めなければいけません働き盛りのときだけでなく、退職後もずっと家賃を支払い続けることになるからです。「公的年金だけでは生活費はほとんど残らない」という現実を念頭に置き、月ごとに少しずつでも、決まった額を積み立てておきましょう。 「買う」という選択をした人は、将来のことを考えて、資産価値が目減りしにくい物件を選びましょう「不動産は購入した瞬間に勝ち負けが決まる」と心して、価値ある物件の見分け方や賢いローンの組み方をあらかじめ学んでから購入すれば、その家はあなたやあなたの家族の大事な資産となり、幸せな人生に欠かせないパートナーになるはずです。

興味が湧いたらセミナーを活用しよう

基本からしっかり学び、不動産の営業マンと対等にやりとりできるほどの専門知識を身につけ、間違いのない判断力を養いたいというなら、プロに学ぶのもひとつの方法です。ファイナンシャルアカデミーでは、マンション購入の基本的なノウハウから最新の事例まで、わかりやすく学べるセミナーを開催しています。これからマンションを買いたい人、すでにマンションを購入した人、賃貸を検討している人、売却して新しいマンションを買いたい人は、マイホーム購入講座がおすすめです。

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【出典・参考文献】

山崎隆『東京マンション資産価値予測 DATA BOOK』(ダイヤモンド社)

泉正人 cafeglobe「美マネ experience」

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