固定と変動、どっちが得?:『マンションを買うまでに読む青本』vol.4

2019年8月22日

マイホームを買おう!と思ったら、多くの人がまず気になるのが「住宅ローン」のことかもしれません。一生の中でも1、2位を争う大きな買い物といわれる住宅購入をギャンブルにはできませんよね。前シリーズ『マンションが買いたくなったら読む赤本』でマンション購入を決めた山田さんのお宅の事例を通して、住宅ローンを利用するときのポイントをおさえましょう。

vol.4では、住宅ローンの金利の種類と自分にあった返済方法を選ぶための考え方を見ていきます。

住宅ローンはどれを選ぶのが得か

金利には、どんな種類があるのか

美香:ローンを組むときには金利、つまりお金を借りるときに支払う利息の種類を決めるわよね。どれを選べば一番安く済むのかしら?

翔太:難しい問題だね。ローンの返済方法によって月々の返済額や総返済額が変わってくるから、今後の金利の動向をしっかり見極めないと。

ローンを組む際、必ず直面するのが金利タイプの選択です。金利には「固定金利型」「変動金利型」「固定金利期間選択型」の3つのタイプがあります。それぞれの特徴を見ていきましょう。固定金利型は、ローンを借りたときから返済が終わるまで、金利が変わらないタイプです。変動金利などに比べると支払い当初の金利は高くなりますが、借入後に市場金利が上がっても影響を受けないメリットがあります。ただし市場金利が下がっても、返済額は変わらないというデメリットがあります。

変動金利型は、半年ごとに金利が見直されるタイプです。5年ごとに返済額が改定されますが、その変動幅は、従来の返済額の1.25倍までに抑えられることになっています。固定金利に比べると当初の金利は低いのですが、借入後に総返済額を確定できないこと、金利が上がったときには返済額も上がってしまうなどのデメリットがあります。固定金利期間選択型は、借入当初の金利が固定されるタイプです。固定期間は2年、3年といった短いものから、10年、20年……など長期に渡るものまであります。固定金利期間終了後は、改めて固定金利選択型か、変動金利型かを選択することになります。

超低金利が続いている間は金利が安い変動金利型に人気が集中しますが、これから景気が上向くと、一気に返済額が上がる可能性が出てきます。住宅ローンに博打は禁物。「リスクを避けて堅実にいきたい」というなら、目先の金利の安さに惑わされず、資金計画が立てやすい長期の固定金利型を選んだほうが賢明です。変動より高い金利分は、「それ以上金利が上がらない安心料」ととらえたらいいでしょう。

返済方法で「元利均等返済」を 選ぶ人が多い理由

金利タイプを選んだら、次に返済方法を「元利均等返済」「元金均等返済」から選びます。それぞれの特徴を挙げてみましょう。元利均等返済は、「毎月の返済額が同じ」というメリットと、「元金の減り方が遅く、総返済額が高くなる」というデメリットがあります。元金均等返済は、「最初のうちは支払額が高いものの、徐々に月々の返済額が減っていく」というメリットと、「初期の返済額が高い」というデメリットがあります。

例えば金利3%で3,000万円を30年間返済した場合(ボーナス返済なし)、元利均等返済の総返済額は約4,553万円、元金均等返済の総返済額は約4,354万円で、その差は199万円。つまり約200万円の差がつくことになります。

美香:月々の返済に余裕があるなら、総返済額が安い元金均等返済のほうが魅力的ね。だけどうちは小さな子どもがいるから、近い将来に教育費がかかることを考えると、ちょっと難しいわ。

翔太:そうだね。うちと同じような家庭のほとんどは、元利均等返済に翔太しているらしいよ。最初から最後まで月々の返済額が同じで、返済計画が立てやすいからだろうね。

美香:元利均等返済でも、家計にゆとりが出たら繰り上げ返済をして期間を短縮すれば、利息を節約できるわ。

翔太:よし、じゃあうちは、無理なく計画的に返済できる元利均等返済にしよう。

▶︎vol.5に続く

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【出典・参考文献】

山崎隆『東京マンション資産価値予測 DATA BOOK』(ダイヤモンド社)

泉正人 cafeglobe「美マネ experience」

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