賃貸と分譲のメリットとは：『マンションが買いたくなったら読む赤本』vol.1

ここでちょっと考えてみましょう。下図は、山田さんが家賃10万円の物件を賃貸し続けた場合に支払う金額をまとめたものです。このことに気づくと、多くの人が「あれ？  それだけ払う なら、早いうちにマイホームを買ったほうがトクだな」と 考えるようになります。

ただし、売りにくい環境の物件、住みにくい間取りの物件 など、資産価値の低い家を買ってしまうと、後で困ることになります。「人生最大の買い物」で失敗しないためにも、 不動産の知識をきちんと身につけましょう。

戸建てでもマンションでも、それぞれ固有のメリットとデ メリットがあります。まず、戸建てのメリットを挙げてみ ましょう。

美香：たしかにそうね。それにマンションなら掃除も管理もラクだわ。 戸建てを自分たちで維持管理するのは何かと大変と聞いたこともあるし。

多くの人が懸念しているのが、消費税アップによる分譲価格の高騰です。しかし、ここで誤解している人も多いのです。 例えば4000万円のマンションを消費税8%のときに買うと4,000万円×1.08=4,320万円、10%のときに買うと 4,000万円×1.1=4,400万円になるのでは？と考えがちですが、 これは間違い。 消費税は建物部分にのみかかり、土地にはかかりません。 ですからたとえば建物が2,000万円、土地が2,000万円の4,000万円のマンションを買う場合、消費税は建物2,000万円にのみかかることになり、消費税が8%なら建物2,000万円×1.08=2,160万円+土地2,000万円= 4,160万円になり ます。

消費税が 10%なら建物2,000万円×1.1= 2,200万円+土地2,000万円=4,200万円になります。 もうひとつ覚えておきたいのは、中古マンションを買う場合。個人が売り主のケースが多いので、ほとんどの場合、 消費税がかかりません（ただし、不動産会社が売り主になっ ている場合は別０）。つまり消費税がどんなに上がっても、価格には影響されないのです。 住宅ローン減税などの国のサポートを考え合わせれば、必要以上に消費税アップを恐れる必要はないということが分かります。家をう際には使える制度をしっかりチェックし、 賢く利用しましょう。