住宅を購入したいと考えたら多くの人が不動産会社の営業マンと会って話しをします。営業マンは手際の良さと巧みな話術であなたをその気にさせてくれるでしょう。しかし、本当に100%あなただけのことを思って購入を勧めてくれているでしょうか。
山田さんのお宅の事例を通してマンションの買い方を見てきた『マンションが買いたくなったら読む赤本』シリーズもこのvol.4で最終回です。営業マンにのせられて衝動買いしてしまうことがないよう不動産会社を訪れる前に身につけたいポイントをおさえましょう。
Contents
マンション購入 その成功・失敗の分かれ道
営業マンは営業のプロであって 不動産のプロではない
「いらっしゃいませ。どんなお部屋をお探しですか?」モデルルームや不動産会社へ行くと、営業マンがにこやかに対応してくれます。「頼りになりそうだ。この人なら、最高の物件を最高の条件で紹介してくれるだろう」と早合点してはいけません。あなたが「不動産のプロ」と思っている営業マンは、いったい何で生計を立てているでしょうか? 答えは、「不動産の仲介手数料」。不動産の営業マンは、不動産のプロではなく営業のプロなのです。それなのに、「この人は不動産とお金のプロに違いないから、公平な目で親身に相談に乗ってくれるだろう」と勘違いして、一から十まで頼ってしまう人が少なくありません。
美香:営業マンに何もかも頼り切るのではなく、まずは自分たちで事前にしっかり勉強しておくことが肝心よね。
翔太:優良なマンションを適正な価格で買うためにも、特にお金のことはうやむやにせず、きちんと試算してから本番に臨まないとね。
不動産に限らないことですが、お金がらみで人と相対するとき、「この人は何で生計を立てているのか」「お金の出どころはどこか」ということを考慮するのは大切なことです。そうすれば、話を鵜呑みにして後悔することはなくなるでしょう。
業界の暗黙のルールをついてみるのも手
不動産業界には「マンション1棟の7〜8割までは原価、あとの2〜3割が利益」という暗黙のルールがあります。立地さえ条件に合う物件であるなら、「最後まで残った部屋」「モデルルーム」など、業者が売りにくい物件にターゲットを絞り、値下げ交渉を試みてみるのもひとつの方法です。
営業マンは売り抜きたいのが本音なので、「用意できるお金が○○万円までなので、その値段なら買います」と伝えておけば、買い手に有利に交渉が展開することも。タイミングがよければ、数百万円の値引きから、なかには「半額近くまで下がった」という驚くようなケースもあります。
必ず身につけたい3つのポイント
このように、不動産購入にはあまり知られていない独自のノウハウやルールがあるのです。リスクを避け、理想に近い物件を適正価格で購入しようと思うなら、ぜひ右の3つの力を養ってください。
不動産購入で必要な 3 つの力
①投資家の視点
構造や設備仕様などマンション購入のチェックポイントを知っておくことはもちろん、割高な物件に手を出さないために「200倍の法則」を、将来の売却を考えて「7割の法則」などを知り、的確に資産価値を判断できる目を養いましょう。
②冷静な判断力
モデルルームや現地物件を見に行き、衝動買いをする人は決して少なくありません。しかし、それで後悔する人も少なくありません。何もわからないで営業マンに勧められるまま適当な物件を買って苦労するより、冷静な判断力を身につけてベストな物件を選び、楽しく豊かな人生を送りましょう。
③駆け引き能力
不動産購入を決意したとき、あなたが相手にするのはプロの営業マンです。百戦錬磨の営業マンにとって、不動産の予備知識が全くない素人を相手にするのは、赤子の手をひねるようなもの。希望の物件を希望通り手に入れたい、上手に値引き交渉をしたいと考えるなら、不動産業界の事情に精通し、駆け引き能力を養っておかねばなりません。
ファイナンシャルアカデミーでは、この3つの力を総合的に身につけるための授業を開催しています。また「理想のマイホームを手に入れたい」「マンション選びで失敗したくない」「今の家を売って住み替えたい」「人に貸して家賃収入を得たい」という人はもちろん、「不動産とお金の教養を身につけたい」という人にもお勧めなのが不動産の体験セミナーです。
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【出典・参考文献】
山崎隆『東京マンション資産価値予測 DATA BOOK』(ダイヤモンド社)
泉正人 cafeglobe「美マネ experience」