株でレバレッジをかけて取引できるのはどんな人?レバレッジのリスクを解説

2019年12月30日

株式投資は信用取引という方法でレバレッジをかけることができます。
レバレッジをかけることで、株式投資で得られる利益をより大きくすることが可能ですが、損失も大きくなるというデメリットもあります。
資産を一気に失う可能性があるため、レバレッジをかけた株式投資は初心者には向いていません。
「信用取引は怖い」と聞いたことのある方も多いのではないでしょうか?
ですが、実際信用取引を上手く利用して多額の利益を得ている投資家もいます。
では、どんな人が信用取引に向いているのでしょうか?
今回はレバレッジ取引とその注意点について紹介します。

そもそも「レバレッジ」とは?

レバレッジとは日本語では「てこ」を意味します。
てこを利用すれば、少しの力で重いものを動かすことができますよね。
それと同じで、レバレッジを利用すれば自分の資金以上の取引を行うことが可能です。
例えば、口座に100万円しか資金が無くても300万円分の取引をすることができます。
取引額が口座資産額に比べて大きくなりますので、利益が出るにしろ損失がでるにしろ、通常の取引に比べ金額が大きくなります。
そのため、投資初心者にはレバレッジをコントロールすることが難しく、初心者がレバレッジ取引を行うことはおすすめしません。

株でレバレッジをかけて取引する方法

株でレバレッジ取引を行う代表的な手段が信用取引と先物取引です。
株以外のレバレッジ取引ではFXや仮想通貨などがあります。
信用取引の場合は、口座資産の最大約3倍程度の取引ができます。
先物取引の場合は最大20~30倍の取引を行うことが可能です。
信用取引、先物取引共にどの証券会社でも取引ができますので、興味のある方は一度証券会社のHPで確認してみてください。
証券会社によっては別口座の開設が必要な場合もあります。

「信用取引」とはどういうもの?

信用取引とは、証券会社から資金又は株式を借りて行う取引です。
証券会社からの信用を使い、レバレッジをかけて取引するというサービスとなります。
あくまで証券会社が行っているサービスに過ぎませんので、各証券会社によってルールは異なり、また何らかの問題を起こした場合は信用取引サービスが利用できなくなることもあります。
信用によってレバレッジ取引をすると言っても、もちろん担保が必要です。
通常は、証券口座の現金か株式などの保有金融商品を担保とします。
つづいて、信用取引の特徴と注意点を紹介します。

相場が悪いときでも取引できる

信用取引を利用すれば、下落相場でも利益を得ることが可能です。
信用取引には空売り(からうり)という注文方法があります。
通常株式取引は買い→売りという順番で行いますが、空売りの場合は売り→買いという順番で取引を行います。
そのため、通常の取引では株価が上昇すれば利益を得ますが、空売りの場合は株価が下落すれば利益が得られるのです。
株価が高い時に売って、安い時に買い戻すという取引方法になります。
不祥事などの情報が出た銘柄が、急激に下落するのは保有している投資家が売るだけでなく、空売りしている投資家がいることも大きな原因です。
どの銘柄にどの程度の空売りがされているかといった情報は、東証が毎週発表していますので、気になる動きをしている銘柄があればそういった情報を確認してみましょう。

レバレッジをかけて取引できる

前述のとおり、信用取引は約3倍のレバレッジをかけて取引することができます。
先物やFX、仮想通貨などの金融商品に比べればレバレッジは低いですが、それでも大きなレバレッジです。
レバレッジ最大で信用取引をした場合は、単純に投資成績が3倍になりますので、通常の取引で100万円の利益が出ていたのであれば300万円の利益、100万円の損失が出ていたのであれば300万円の損失が発生します。
リスクは大きくなりますが、継続的に利益を出せるのであれば信用取引を利用することで資産形成のスピードは大きく上昇します。

保証金が不足すると追証が発生する

信用取引の担保のことを委託保証金とよびます。FXや仮想通貨などでは証拠金とよばれます。
この保証金が、各証券会社が定める最低保証金維持率を下回ると発生するのが追加保証金、いわゆる追証(おいしょう)です。
追証が発生すると、証券会社から不足額を入金するように連絡があり、期日までに入金できない場合は、強制的に保有している株式が決済されてしまいます。
しかも、その際の売買手数料は通常時の売買手数料に比べて数倍以上となる高額の手数料に設定されていることが一般的です。
追証を支払うことができず、相場の世界から退場となった投資家も大勢います。

株でレバレッジをかける時のリスクとは

信用取引やその他レバレッジをかける全ての金融商品に共通しているのが、高いリスクを背負うということです。
特に保有している株式を担保に信用取引で株取引をしている場合は注意する必要があります。
担保としている株式の評価額は時価の8割程度となっていることが多いですが、株が暴落した場合は保有株式と評価額が急減するため、保証金も急減します。
更に、信用取引で保有している株も暴落した場合は評価損が保証金から引かれますので、急激に保証金が減るのです
保有している現物株と同じ株を信用取引で保有することを2階建てと言いますが、2階建てを行っている銘柄が急落した場合、保証金が大幅に減少しますので細心の注意が必要となります。

こんな人じゃないと、株でレバレッジをかけるのは危ない!

レバレッジをかけて株取引を行うのはこれまで紹介したように高いリスクを伴います。
そのため、知識や準備が不足していると大変危険ですが、信用取引を利用することで利益を伸ばすことができるのも事実です。
そこで、ここではどんな人ならレバレッジをかけてもリスクをコントロールできるのか解説します。

株式投資の基礎をしっかり勉強している人

株式投資の基礎をしっかりと学んでいることが大切です。
特に損切りができることがレバレッジ取引ではとても重要となります。レバレッジ取引は損失が急激に膨らむ場合があるためです。

現物取引で、売買のルールをしっかり守れる人

信用取引を行う前にまずは、現物取引でしっかりと売買ルールを守れている人でないとレバレッジのかかった信用取引は危険です。
取引金額が高額になる信用取引は、ただでさえ冷静さを失いがちになります。
現物取引で売買ルールを守れていない人は、当然信用取引でも売買ルールを守れず、最悪市場から退場となる可能性が高まります。

信用取引のその他の利用方法と注意点

信用取引を利用して手数料を節約することが可能です。
多くの証券会社では、信用取引手数料は現物取引手数料に比べて安価となっており、信用取引で買って、すぐに現引き(現金を支払い現物にすること)することでコストを減らすことができます。
先日、楽天証券やSBI証券などの証券会社が一部の商品の信用取引手数料を無料にすると発表しています。
これにより、信用取引を利用したコスト軽減がより大きくなりました。
楽天証券とSBI証券は以前から色々なサービスで競争しており、今回もマネックス証券などが一部の手数料を無料化した動きにすぐに追随しました。今後も楽天証券、SBI証券の競争により投資サービスが向上していくものと考えられます。
信用取引のその他の注意点として、株主優待があります。株主優待は最近脚光を浴びており、優待銘柄とよばれる株は人気が高いです。ですが、信用取引で優待銘柄を保有した場合、株主優待は貰えません。
勘違いしないように注意が必要です。
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この記事のライター

森田賢一

FP2級資格を持つ30代男性会社員。10年以上の投資歴を持つ現役投資家。
10代から投資をはじめ、リーマンショックでは投資家としての心構えを鍛えられた。
株式を中心にETFやREITへの投資も行い、現在の運用資産は5,000万円。アーリーリタイヤを目指し投資の勉強は欠かさない。
ブログにて株式投資に関する情報を発信中
【ブログ】FP森田の株式投資ブログ

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