前回は株を始めたい人のために、株の魅力から、株を買うまでに必要な5つのステップ、株で損する人の性格などを紹介しました。
今回は後編として、「株式投資で利益をあげる3つのステップ」と「株式投資で失敗しない4つの方法」を解説したいと思います。
Contents
株式投資で利益をあげる3つのステップ
株で利益をあげるステップとしては大きく3つあります。
1)銘柄を探す
2)タイミング良く買う
3)タイミング良く売る
詳細は以下で説明していきます。
銘柄探し
株を始めたい人のやっていいこと・悪いこと(前編)でも紹介しましたが、上場している企業の数は約4,000社あります。そこからどのように銘柄を探していけばいいのでしょうか。銘柄を探す方法としては
・雑誌
・インターネット
・会社四季報
・友達に聞く
・知ってる会社から選ぶ
などのパターンがありますが、利益を出すには企業をよく知ることが大切です。そのため会社四季報でしっかり企業のことを調べた上で、株を選ぶようにしましょう。
会社四季報とは?
日本に上場している(私たちが株を買うことのできる)すべての企業のデータがコンパクトにまとまっているデータブックです。3カ月に1回、年に4回発売され、株式投資家のバイブルとも言われています。では次に、会社四季報で良さそうな会社を選んでいきます。
良い会社を見極めるポイント①
ここでクイズです。良さそうと感じる会社はどちらでしょうか?
正解はB社になります。
投資家が最初に見るべきポイントは売上ではなく、利益になります。ということで、良い会社を見極めるポイント①「利益がきちんと伸びている会社を選ぶ」です。※もちろん、売上も利益も伸びていれば◎です。
良い会社を見極めるポイント②−1
2つ目のクイズです。
安い株はどちらの会社になるでしょうか?
A社:今日の株価 3,000円。購入するには30万円必要。
B社:今日の株価 500円。購入するには5万円必要。
もちろん、正解はB社になります。
では、次の質問です。「効率的」なのはどちらでしょうか?
A君:月収 50万円 労働日数25日/月
B君:月収 30万円 労働日数10日/月
正解は、B君になります。
A君は1日あたり2万円稼ぐのに対し、
B君は1日あたり3万円稼ぐからです。
投資の世界で大切な要素は株価ではなく、この「効率性(稼ぐ力)」です。
良い会社を見極めるポイント②は、「株価で選ばず、稼ぎ力が高い会社を選ぶ」です。株価の高い安い=割安、割高ではないことを覚えておきましょう。
PER(株価収益率)
では、割安な会社を選ぶにはどうしたらよいでしょうか?そこでPERという指標を使って割安な会社を選んでいきます。PERとは利益に対して何倍の株価がついているのかという比率のことです。
P=Price →株価
E=Earnings →利益(1株益)
R=Ratio →比率
良い会社を見極めるポイント②−2
この概念を使って、前述のA君とB君を会社として置き換えてみると以下ように考えることができます。
A君:月収 50万円 労働日数25日/月 一日あたり2万円
→A社:株価 50万円 PER25倍 1株益2万円
B君:月収 30万円 労働日数10日/月 一日あたり3万円
→B社:株価30万円 PER10倍 1株益3万円
PERは小さければ小さいほど割安であることが分かると思います。この数値は会社四季報のページ右上に必ず出ている項目になるので、チェックしてみてください。また、PERの平均値はおおよそ15倍になります。
そのため、良い会社を見極めるポイント②-2は、「株価の高い安いで選ばずにPERが15倍以下の会社を選ぶ」になります。
良い会社を見極めるポイント③
またここでクイズです。魅力的なのはどちらの株でしょうか?
A社:業績好調、PER 7.5倍、株価は下がり続けている
B社:業績好調、PER 12倍、株価は上がり続けている
正解はB社になります。
良い会社を見極めるポイント③は、「株価が継続的に上がっている会社を選ぶ」です。その理由は、株価が下がっている会社を選ぶとどこで売っていいかわからないからです。
以上が良い会社を見極めるポイント3点になります。
①利益がきちんと伸びている
②PERが15倍以下
③株価が上がり続けている
四季報でいうと以下の部分に該当するのでしっかりとチェックしておきましょう。
タイミング良く買う/売る
株式投資で利益をあげる3つのステップのうち2つ目と3つ目は実は同じことをさしています。初心者が失敗しない売買のタイミングについて説明していきます。
株式投資で失敗しない方法①
株式投資のスタイルとして2つのタイプをまずは見てください。
①じっくり長期型:1年以上保有/期待リターン100%以上
②機敏に短期型:1週間保有/期待リターン3〜5%以上
・・・初心者はどちらのスタイルが向いているのでしょう。
結論としてはどちらもおすすめしません。初心者の人には3つ目として、無難に中期型をおすすめします。
③無難に中期型:数カ月保有/期待リターン30〜50%以上
株式投資で失敗しない方法①は「欲を出しすぎず、無難な中期投資を選択すること」です。目安は3ヶ月以内(業績発表、四季報発売の頻度と同じ)となります。初心者はおそらく保有額も少なく、長期型すぎると利益が少額になってしまいます。スタートは少ない額から初めて、中期で利益をしっかりと築いていきましょう。
株式投資で失敗しない方法②
次の質問です。
うまく行きそうなのはどちらでしょうか?
①集中投資:1銘柄に投資
②分散投資:5銘柄に投資
それぞれにメリット・デメリットがあります。ただ、初心者におすすめなのは分散投資です。
何事も開始直後は失敗の確率は高いものです。
しっかりと経験値を積んで、中上級者になったときに、スタイルを変更していきましょう。ということで、株式投資で失敗しない方法②は
「まずは、5銘柄に分散して、経験値を積み上げる」です。
株式投資で失敗しない方法③
次の質問です。
楽しそうなのはどちらでしょうか?
Aプラン:夏といえば、沖縄2泊3日30,000円〜
Bプラン:青の洞窟と青い空2つのダイビングを満喫。沖縄旅行2泊3日30,000円〜
おそらくBプランのほうが具体的なぶん、より楽しさがイメージできたのではないでしょうか。同じ2泊3日の沖縄旅行で、同じ3万円でも計画と目的のありなしで楽しさに変化がでてきます。
つまり、ゴール(目的)が決まっているかいないかで結果が大きく変わるということです。
最後の質問です。
うまくいきそうなのはどちらでしょうか?
Aプラン:雑誌のオススメ株、よくCMをやっているからひとまず買う→十分に利益が出たら売る
Bプラン:業績を確認、PERを確認(10倍)上がっている銘柄を買う→PERが15倍になったら売る
お分かりの通り、Bプランのほうがうまくいきそうです。
株式投資で失敗しない方法③は「買った時点で、どうなったら売るのかを決めておく」です。「出口戦略」を決めるだけで、その経験を次に活かすことができます。
株式投資で失敗しない方法④
では、どうなったら株を売ればいいのでしょうか?
実は、買う理由をひっくり返すと、売る理由につながります。買う理由は前述した通りの以下3つでした。
①利益がきちんと伸びている
②PERが15倍以下
③株価が上がり続けている
売るタイミングはその逆。つまり、
①利益がきちんと伸びなかった
②PERが15倍を超えた
③株価が下がり続けている
となります。
最後の株式投資で失敗しない方法④は「買う理由を明確にすることで、おのずと売る理由は決まる」です。「売る理由」の決め方は、実はとても単純なものになります。
まとめ
株を始めたい人の「やっていいこと」
・3つのポイントで銘柄選び
・中期投資(1カ月〜3カ月)
・5銘柄程度に分散投資
・買う理由を明確にする
・売る理由を決める
株を始めたい人の「やってはいけないこと」
・人任せな銘柄選び
・安易な長期、短期投資
・1銘柄に集中投資
・買う理由が適当
・売る理由が決まっていない
いかがでしたか?
しっかりと知識を身につければ、株式投資は着実に資産を増やす方法の1つです。株についてきちんと学んだ上で、株式投資を始めてみてはいかがでしょうか。