株主優待を活用した生活の特集がTVで組まれて注目が集まっている株主優待制度。みなさんはこの制度を知っていますか?今回は知っているようで知らないという声も多い株主優待の制度を、言葉の定義から活用術まで幅広く解説していきます。
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株主優待 とは
そもそも株主優待とは、「株主への還元策として商品やサービスなどの特典が受けられるもの」を指します。日本に上場している会社は約3,600社ありますが、どのくらいの企業が株主優待を実施しているでしょうか。
その数は約1,000社ほどです。つまり、3割程度の会社が株主優待を実施しており、7割の会社は実施していない制度となっています。
株主優待のもらい方・手順
では、どのようにすれば株主優待を受けることができるのでしょうか。手順としては非常に簡単です。
① 証券会社で口座を開設する
② 株主優待を実施している企業の株式を買う
③ 自動的に、株主優待が手元に届く
これだけのプロセスで、特別な手続きはいりません。しかし、いくつか条件があります。
株主優待をもらうための条件①
1つ目の条件は、「1単元」以上の株を保有していることです。単元とは、株式の売買単位のことで、上場企業ごとに100株、500株、1,000株などと決まっています。1単元を購入するのに必要な金額は企業によって異なりますが、1単元の価格は「株価×1単元の株数」で算出できます。
株主優待をもらうための条件②
2つ目の条件は、「権利確定日」に株を保有している必要があることです。「権利確定日」とは、企業の株主名簿上で誰が株主かを確定させる日のことで、3月決算の会社なら、3月末日に権利が確定します。その後、4〜5月頃に決算発表が行われ、次に5〜6月に株主総会が開かれ、6〜7月に優待品が手元に届く段取りとなります。ただし、「権利確定日」に株を買ってもその日に株主にはなれません。権利確定日「3営業日前」に株を保有しておかないと、権利は得られないので注意が必要です。
株主優待銘柄は「長期保有」する
では、権利確定日の3営業日前に株を買って、翌日に売っても株主優待をもらうことができるでしょうか。
・・・答えは「YES」です。
例えば、優待を得るための最終購入日が2019年3月26日(火)とします。権利確定日が2019年3月29日(金)だったとしても、27日(水)以降は「権利確定済み」状態のため、株式を持ってなくても問題ありません。
では、権利確定日の3営業日前に株を買って、翌日に売ったら、優待品をもらった分だけトクできるのでしょうか。
・・・答えは「NO」です。
多くの銘柄では、権利確定日に向かって株価が上がり、権利落ち日(3月末であれば29日)に株価が下がります。なので翌日に売れば、優待品をもらえる分だけトクをする、という単純な話ではありません。
2つの例を解説しましたが、結局どのような株がおトクなのでしょうか。
・・・ここで大事になるのが「利回り」という概念です。
利回りとは、投資した金額に対する収益割合を指します。この利回りには2つの種類があります。
銘柄を選ぶ基準①(優待利回り)
「優待利回り」とは、優待品のおトク度を測る計算方法です。優待利回りの計算式は、優待品の金額 ÷ 投資金額 × 100となります。
例)
・優待品の金額:3,000円
・投資金額:50,000円(1株500円✕100株)
の会社の場合、3,000 ÷ 50,000 × 100 = 6
となり、この会社の優待利回りは6%になります。
銘柄を選ぶ基準②(配当利回り)
もう1つの利回りは「配当利回り」です。「配当利回り」とは、会社が上げた利益の中から株主に配当する金額を測る計算方法です。配当利回りの計算式は、配当額 ÷ 株価 × 100となります。
例)
・配当金額:30円✕100株
・投資金額:20万円(1株1,000円✕100株)
の会社の場合、3,000÷20万✕100=1.5となり、この会社の配当利回りは1.5%になります。ただし、配当利回りは自分で計算しなくてもネットで簡単に調べられます。優待利回りと配当利回りを合計してみることが大切で、優待利回りばかり意識すると損することもあるので、銘柄選びは慎重に行いましょう。
株主優待のある銘柄の探し方
株主優待のある銘柄の探し方としては、以下の5つの情報ルートがあります。
① Yahoo!ファイナンス
② 会社四季報
③ 企業ごとのホームページ
④ 株主優待の情報サイト
⑤ マネー誌などの株主優待特集
中でも「Yahoo!ファイナンス」は簡単に以下の条件から検索することが出来ます。
①優待の種類から探す
②最低投資金額から探す
③権利確定月から探す
こんな「優待の品」も!
実際にある面白い優待品をいつくか例をあげてみましょう。
例1)株式会社マサル
・優待品:サマージャンボ宝くじ10枚(1,000株以上)
年末ジャンボ宝くじ10枚(3,000株以上)
・おすすめ理由:優待の品は、「夢」
・株価:565円
※2018年2月21日時点でYahoo!ファイナンスに掲載された情報を参照
例2)株式会社コモ
・優待品:1,500円相当の自社製品(100株以上)
1,500円相当の指定自社製品から選択方式にて毎月(6ヶ月間) (1,000株以上)
・おすすめ理由:生協などで人気の天然酵母を使用したパンがもらえる!
・株価:2,710円
※2018年2月21日時点でYahoo!ファイナンスに掲載された情報を参照
例3)株式会社アミューズ
・優待品:
(1) 自社主催のコンサート・イベント・舞台・映画などへ抽選招待(年間を通じて適宜)
(2) オリジナルグッズ
・おすすめ理由:桑田佳祐、福山雅治などが所属している大手芸能プロ。人気チケットが手に入れるチャンスがふくらむ!
・株価:3,955円
※2018年2月21日時点でYahoo!ファイナンスに掲載された情報を参照
例4)株式会社千趣会
・優待品:
(1) 所有株数に応じてベルメゾンお買い物券
(2) 長期保有株主に対する特別優待(年1回12月末株主のみ)
(100株/1年/500円から1,000株/3年/4,000円まで、所有株数と保有年数に応じてお買い物券を追加進呈)
・おすすめ理由:「ベルメゾン」で使えるお買い物券がもらえる!長く所有している人は利回りが大幅アップ!
・株価:618円
※2018年2月21日時点でYahoo!ファイナンスに掲載された情報を参照
まとめ
いかがでしたか?知れば知るほど奥深い「株主優待」の制度。賢く活用して生活を楽しくしていきましょう。