以前は、ひとつの会社が自らの力で企業活動をしていましたが、近年では生き残りをかけて買収(M&A)や合併などを行う会社も増えてきています。もし、自分が保有している株式が買収(M&A)されてしまった場合には、保有している株価は、どのようになってしまうのでしょうか?
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どうして買収(M&A)するの?
わざわざ他の人が起こした会社でなくても、自分で会社を興した方が、自分好みの会社を作ることができて良いのでは? と思うかもしれません。確かに自分で一から作り上げた方が自分好みの会社を作ることができますし、充実感を得られるかもしれません。
とはいえ、すでに出来上がった会社やシステムを手に入れることは、さまざまな手続きや労力に費やす時間や手間を省くことができます。そして何よりも既に定着している顧客を手にできるので、買収(M&A)して企業を手に入れるのは充分に価値のあることなのです。
そして買収(M&A)は、資本力のある大きな企業が小さな企業に対して行うのが一般的です。
買収(M&A)の種類を知っておこう
買収(M&A)には、①買収する企業の株式を50%以上取得して子会社化する方法と②TOB公開買い付けを行って株式を100%取得し完全子会社化する2パーターンがあります。
①株式を50%以上子会社化する場合
この場合、買収(M&A)を行う会社は相手方企業の株式を50%以上取得するために株式を買い集めていきます。したがって買収(M&A)される側の株価は上昇することがほとんどです。
買収(M&A)終了後も株式の取引は行われますので上場は維持されます。
当たり前の話ですが、買収(M&A)を終えた後に企業の業績が悪くなってしまえば株価は下がってしまいますし、業績が良くなれば株価の上昇が見込まれます。
とはいえ業績がどうなるのかは未知数ですので、買収(M&A)が決まって株価が上昇しているタイムミングで売却してしまえば利益を得ることは可能になります。
②TOBで100%完全子会社になる場合
完全子会社のために100%の株式を買い付けるとなると、通常の株式取引では並大抵のことではありません。そこで企業は株主に対して価格や株数や買付期間を提示し、株式を購入していきます。
このとき買収(M&A)する側の企業はどうしても株式が欲しいのですから、買付価格は高めに設定して、スムーズに100%の株式取得を目指していきます。このときの平均的な上乗せ額は株価の40%と言われています。買付終了後は、買収(M&A)された側の企業は上場廃止になりますので、以後取引が出来なくなります。
自分の保有している株式がTOBの対象になったのなら、買収(M&A)する会社からの情報にしっかりと耳を傾けていくことが大切です。
保有株式が買収(M&A)の対象となった場合にはどうするべき⁈
保有している株式が買収(M&A)の対象となった場合には、必ず企業から報告がなされます。①の子会社化なのか②の完全子会社化なのかを確認し、どのようなスタンスを取るべきかを考えていきましょう。
買収(M&A)される企業の株価は上昇すると言われていますが、必ずしも上昇する訳ではありません。勝手に判断せずに双方の企業からもたらされる情報および市場の声に耳を傾けて、判断することが必要です。
また買収(M&A)は、上記で掲げた友好的な買収の他に、敵対的買収というものがあります。敵対的買収は、相手企業と相談することなく、無理矢理に買収を進める行為です。敵対的買収が始まると株価が急騰することがありますが、成功することは稀です。
売却するか保有し続けるかは状況次第ですが、自分にとってその株式はどのような位置づけにあるのか? 保有し続けていたい、応援したい企業の株式なのか? 単に利益を得るための株式なのか? を考え、売却する・しないを判断していきましょう。