もし株を購入した会社が倒産してしまったらどうなるのでしょうか?
株がどうなるのかを知っておくことは大切ですし、それと同時に、どのような会社が倒産する可能性があるのかを知識として備えておくことも大切なことなのです。
株の価値はどうなるの?
まず知っておかなければならないのが、会社が倒産する場合には、清算という方法や会社更生法や民事再生法を適用することがあると言うことです。会社が清算となった場合、まずは残っている負債をすべて返済し、残っている財産を確定して持ち株数に応じて分配されます。分配されるのは基本、現金なのですが、現物でも分配してもよいことになっています。手続きには時間や手間がかかるだけでなく、いくら戻ってくるのか? 何が戻ってくるのか? 何も戻ってこないのか? は、すぐには分かりません。
一方、会社更生法や民事再生法が適用された場合には、株は「整理ポスト」というところに移動します。整理ポストに入った場合その後1カ月に限って取引はできるのですが、株価は一気に急落。株価が1円というのもザラです。株の売買には手数料がかかりますので、まさに「紙くず(今は電子くず?)」になってしまいます。
ここまで読んで、株って怖いなと思った人もいるかも知れませんね。
倒産しない会社を見極めよう
「投資した会社が倒産したら……、株が紙くずになってしまったら……」と不安な気持ちを抱いたままで投資ができませんし、これだけは絶対避けたいですよね。そのためには、どのような会社の株なら安心して投資できるのか、どのような会社が危ないのかを事前に察知する、見極めていかなければなりません。
どのような出来事であっても、ある程度の前兆というものが見て取れます。会社も同じこと。もし投資した会社にこれから掲げる前兆が表れ始めたら、持っている株をどうするのか、判断する必要があるでしょう。
具体的には、細かい経費まで削減している、お金に関わるセクションの人が次々退職している、店舗が縮小している、給料や各種手当が減少している、給料が遅延し始めている、希望退職者を募集している、取引会社が倒産してしまった等、さまざまです。
ここで掲げていることは前兆と言えるものですが、必ずしもこのような現象が表れたからと言って、倒産する訳ではありません。
たとえば希望退職者を募っている場合等は、手遅れになる前に業績を改善したいという思いの他に、業績がよくてもダウンサイジングと言って人員を整理することがあります。その他、その業界独自の慣習のために店舗を縮小すると言うこともあるかもしれません。これらの現象は上場会社であれば必ずニュースになりますので必ずチェックしましょう。
会社四季報で業績をチェック
いくら前兆があると言っても、すべてが事細かにニュースになっている訳ではありません。そのためには、投資した会社がどのような考えのもとお金を使っているのか、業績はどうなっているのか、来期の見通しはどうなのかを知ることが大切です。これらの情報を備えているのが「会社四季報」です。
会社四季報とは、東洋経済新報社が発行している季刊雑誌。株価や資本金額はもちろんのこと、総資産はどれくらいあるのか、総資産のうち自己資本と言われる株主持ち分がどれくらいを占めているのかを数値化した自己資本比率はいくらなのか等が書かれています。
その他に概況、業績や配当に関することまでもが書かれており、いわば会社の通信簿とも言えるもの。投資家なら必ず目を通しておくべき雑誌と言えるでしょう。書かれている物のなかで特に注目すべきは3つ。①業績がどうなっているのか、②財務状況はどうなっているのか、③キャッシュフローと言って税引き後の純利益と減価償却費とあわせた金額はいくらなのかを確認することです。
慣れないうちは何がどう意味するのか分からないと思いますが、解説記事を参考にしながら、安心できる会社なのか確認することを忘れずに!