統計データを見ると、学歴が高く、規模の大きい会社に勤めている人ほど生涯賃金が高いという事実を改めて確認することができます。
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生涯賃金は学歴に比例する
「自分の生涯賃金」を計算してみたことがある人は意外に少ないかもしれません。ここに一般的な労働者の生涯賃金のデータがあるので見てみましょう。
ここでいう生涯賃金とは、「新卒として就職してから定年退職するまで、パートではなく正社員として同一の会社で働き続けた場合に受け取る賃金の総額(退職金は除く)」です。
学歴別では、男性は中卒1億8千万円、高卒2億円、高専・短大卒2億円、大学・大学院卒が2億5千万円。女性では中卒1億14万円、高卒1億3千万円、高専・短大卒1億6千万円、大学・大学院卒2億円となっています。
学歴が高まるにつれて就業年数は短くなりますが、その一方で賃金水準も高いため、結果として高学歴ほど生涯賃金が高くなることになります。
生涯賃金(学歴別、2010年)
生涯賃金は企業規模に比例する
企業規模別では、規模が大きくなるほど生涯賃金も高くなっています。
例えば、男性で大学・大学院卒の場合、企業規模1000人以上では2億9千万円にまで達するのに対し、企業規模10‒99人では2億3千万円にとどまっており、1億円程度の開きがみられます。
これらのデータからも、学歴・企業規模による賃金格差は避けられない事実といえます。
ちなみに、学校を卒業してすぐに就職し、そのまま働き続けた場合、60歳定年の会社で、高卒の人は給料を492回、賞与を82回、大卒の人は給料を444回、賞与を74回受け取ることになり、これらの合計額が生涯賃金です。
生涯賃金(企業規模別、2010年)
パート・アルバイトの生涯賃金は1億円に満たない
他のデータも見てみましょう。パート・アルバイトの年収は200万円未満が85%を占め、年齢層が高くなっても賃金はほぼ20代から横ばいというデータがあります。仮に200万円で計算しても、200万円 × 38年 = 7800万円になり、1億円にも到達しません。
学歴による年収の差を考えると、子どもへの教育は必要な投資といえるでしょう。しかし、せっかく大学まで行かせた子どもがフリーターになってしまい、教育費がムダになるというリスクもあることを念頭に置く必要はあります。
このように、過去のデータから見ると、今までは高学歴であれば高収入が得られていたということがわかりますが、これからの時代は、学歴ではなく、働き方の違いや、資産運用などでも大きく変わっていく時代です。継続的な学習により、専門知識の習得をしたり、お金の知性を身に付けるなど、将来に備えることが重要です。
稼ぐ人は勉強している
ここに面白いデータがあるのでご紹介しましょう。雑誌『プレジデント』2007年10.29号に掲載されていたもので、「年収」と「勉強」の関係を調査したものです。調査によると、年収1500万円以上の人の共通点として以下のようなことがあげられています。
- 毎日の生活の中で、勉強を習慣化している人が「約8割」
- 年間30万円以上を勉強のために使っている人が「約5割」
- いま現在、人生でいちばん勉強していると考える人が「約3割」
- 勉強は収入アップに寄与すると思う人は「約5割」
彼らの特長は勉強を「投資」とみている点にあります。投資した金額以上のリターンが見込めるからこそ、1500円以上の本を迷わずたくさん買い、セミナーや学校に年30万円以上を使うことができます。
また彼らは、勉強したことは必ず実践で活かすこと、つまりアウトプットを重視する傾向もあります。だからこそ大きなリターンが得られるわけです。
このことは経済やお金に関する知識・スキルに関しても同様です。時間や資金をかけて勉強すれば、それだけのリターンが得られます。そして勉強は一時だけではなく継続することが重要です。
学歴は、社会人になってからではなかなか変えられません。雇用形態や就職先に関しては今後の努力次第で改善できますが、簡単にはいかないでしょう。
一方で、勉強するのは自由ですぐに始められます。学歴も性別も関係ありません。勉強してそれを仕事やお金の運用に活かすことで、今より豊かな生活を実現することができるのです。
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