Contents
世界のお金はたった5つに流れている
金融商品にはさまざまなものがありますが、結局は5つに集約されます。5つの金融商品へと世界のお金が流れています。
各種商品の市場規模はどのくらい?
世界のお金は主に5つの商品に流れていることを説明しました。これらの5つを主軸にいろいろな金融商品でお金は運用されています。では日本全体でみたときに各金融商品の市場規模はどれくらいあるのでしょうか。下記の図を見てみましょう。
最も大きな市場が債券で、その約8割を国債が占めています。国債の市場規模の大きさは国の借金の多さでもあります。次に大きいのが「株式投資」。この額は、株価の動きによって大きく変動します。その次は「預金」。積極的に運用するのではなく、銀行にとりあえず預けておく人が多いため、預金残高が大きいのが日本の特徴です。
その次に規模の大きい「年金」や「投資信託」ですが、その中身は債券や株式などで運用されています。「不動産」や「商品」は他に比べるとそれほど規模は大きくありません。
世界の各種金融商品の市場規模
一方でこちらは世界の各種商品の市場規模です。集計時期や調べ方の違いで日本のデータとは若干異なる部分もありますが、目安として見てみましょう。
桁違いに大きいのが「デリバティブ」です。デリバティブとは、株式、債券、預貯金・ローン、外国為替などの金融商品のリスクを低下させたり、リスクを覚悟して高い収益性を追及する手法として考案された金融派生商品です。多くの金融機関や企業にとって欠かせない資産運用手段となっています。
「商品先物」「日経平均先物」などもデリバティブの一種であり、個人でも取引可能です。
次に大きいのが、株式市場や債券市場です。金の先物市場や原油先物市場などは非常に規模が小さく、株式市場から一部の資金が流れ込むだけでも大きく変動させられることが予想できます。
金融商品の市場規模(世界)
グローバル化が進む金融市場
これらの商品を売買するにあたり、あらかじめ決められたルールがあります。株式という商品の内容や売買の仕方が、アメリカと日本で異なっていたら、安心して投資できません。株・債券・不動産・商品・為替の5つは、世界中で、ある程度一定の条件やルールに基づいて売買することができます。
例えば、為替では、ニューヨーク、ロンドン、東京が世界の三大市場として知られています。時間差で世界のどこかの市場が開いていることになり、投資家は市場が休みの日以外は24時間売買することができます。
こうしたグローバルな金融市場の存在があるからこそ、お金がスムーズに流れていくことになります。日本では90年代までは為替取引が規制されていましたが、その後、規制緩和により、今では金融市場のグローバル化が進んでいます。
経済の発展にはこうした誰にでも開かれた金融取引市場の存在が不可欠であり、そのためにはさまざまな規制を緩和しなければなりません。また、企業の会計ルールの統一やIT技術による情報処理の効率化など、より自由でグローバルな国際市場になるために求められる条件はまだまだあります。
たった2つの儲けの仕組み
資産運用で儲ける手段は実はたった2つにすぎません。キャピタルゲインとインカムゲインです。これらを上手に組み合わせることで資産は自然と増えていきます。
キャピタルゲインとインカムゲイン
①キャピタルゲイン
投資によって利益を得る手段は、大きく分けて2つあります。「キャピタルゲイン」と「インカムゲイン」です。
キャピタルゲインは、「100万円で買った株式を120万円で売り、20万円の利益を得た」というように、キャピタル(資本)の値上がりによってゲイン(利益)を得ます。株だけでなく価格が変動するものであれば何でもキャピタルゲインを得ることができます。
「安く買って、高く売る」ことで利益を得るのが基本ですが、株式投資などで空売り*できる場合には「高く売って、安く買う」もキャピタルゲインになります。
ちなみに損した時は「キャピタルロス」になります。
【用語解説】空売り
証券会社から株を借りて売り、その株が値下がりした時点で買い戻すことで利益を得よう
とする投資手法のこと。
②インカムゲイン
「インカムゲイン」は、所有し続けることによって得られる利益です。
債券や預金などから生じる利子、投資信託の分配金、株式投資の配当金、不動産の家賃などがあります。安定的・継続的に入ってくる収入なので、「インカムロス」という概念はありません。
トータルで考えることが重要
この2つを上手に組み合わせ、総合的な利益を得ることで、資産は増えていきます。
注意したいのは、キャピタルゲインとインカムゲインどちらの利益も得られる商品の場合、どちらか一方に執着しすぎないことです。
例えば、株式投資ではキャピタルゲインに目が行きがちです。しかし、インカムゲイン(配当)に注目すれば、多少の株価の上下はあっても、長く安定的な収益を得ることが可能です。
一方で、配当利回り*にばかり目を奪われて、銘柄そのものの中身を見ずに買ってしまうという失敗も避けなければなりません。値下がりして、受け取った配当金以上にキャピタルロスが出てしまうことも考えられるからです。
【用語解説】配当利回り
株価に対する年間配当金の割合。「1 株あたり配当金÷株価」で求める。
また不動産投資を、キャピタルゲインを得るものと決めつけてしまうのは早合点です。月々の家賃収入(インカムゲイン)に注目し、長く安定的な定期収入を得る手段としても不動産投資は有効です。
資産運用をする際には、キャピタルゲインとインカムゲイン、トータルで考えることが重要です。
経済やお金についてもっと深く動画で学べます
経済やお金の知識が足りないと感じている方におすすめの講座はこちら。今すぐ動画で学べます。