48歳女性、手取り20万円 :独身で退職金もない。貯金1,700万円で大丈夫ですか?
<![CDATA[<質問> 正社員で働いていますが、給料も多くなく、賞与も退職金もありません。独身のため、お金の不安が頭から離れません。毎日お金のことばかり考えてしまい、なかなか生活を楽しむこともできなくなりました。貯金が多いように見えますが、自分で貯金したものではなく半分以上は両親からの相続で得たものです。幸いなことにマイホームに住んでいるので、毎月の住居費はかからず(固定資産税のみ)、少ないながらもかろうじて毎月3万円くらい貯金ができてはいます。このままのペースで大丈夫でしょうか。
<回答> ご両親が他界されていて頼れる近しい親族がいないのはとても心細いですよね。ご両親が残してくれたマイホームを持っておられ、マネープランを考えるうえで住居費がかからないのは相談者さんにとって大きなアドバンテージになっています。
▶︎「お金の漠然とした不安」は、不安の正体が見えていないこと
不安は人ぞれぞれありますが、まずは誰もが迎える老後の「見える化」を簡単にしてみましょう。
まずは今のペースで働き続けると仮定して準備できる老後資金を計算してみます。
例えば、65歳定年まで働くとすると、残り17年間ありますので、今の収入から毎月3万円の貯金を続けることで約600万円貯まり、今ある資産と合算すれば、約2,300万円の老後資金を作ることになります。
今の相談者さんの支出(生活費15万円)のまま、老後生活を送っているならば、受給できる年金では足りない分の5-6万円くらいの取り崩しになるので、ざっくり計算すると約2,000万円ほどの老後資金があれば今と変わらない生活は行っていけるでしょう。
このざっくりとした計算には、ちょっと贅沢するためのお金、入院したときの医療費や介護費用、マイホームのリフォーム費用などの臨時的な支出は入っていませんが、これらを支出したとしても、老後資金はそこそこもつことがわかって不安が解消されませんか?
まずは、簡単な老後資金プランを作って、老後を見てみるということです。ここから次に自分がとれる選択肢が見えてくるのです。
たとえば、「働くのは65歳までと考えていたがもう少し長めに働いたほうがいい」「リフォームは最小限にとどめたほうがいい」など、今は多少ピンボケでも老後の生活が見えれば、不安の輪郭が見えはじめてくると思います。
今、お金のやりくりに不安があり、毎日お金のことばかり考えてしまうとありますが、家もあり、貯蓄もできているので心配はいりません。今の収入から毎月3万円の貯金を守っていれば大丈夫ですので、どうかあまり思いつめないでくださいね。
▶︎相談者さんに心から伝えたいこと
相談者さんには「お金を増やす」という力を身につけてもらい、人生を心から楽しめるようになってもらいたいのです。
「お金を増やす」というと、少し怖いイメージを持ってしまうかもしれませんが、こう考えるのはどうでしょうか。
”自分が働いて収入を得るのと同様に、ご両親が残してくれた大切な資産にも働いてもらう”
こうして老後までに自分とお金の共働きができれば、収入口がひとつからふたつになります。お金だけでは、独身であることへの不安をすべて解消することはできないかもしれませんが、少しは安心しませんか。
もう少し詳しく「お金に働いてもらうこと」について説明します。
今ある1,700万円をこのまま銀行預金に置いておくだけでは、定年を迎える65歳のとき、悲しいことにたった2700円しか増えていません(金利0.001%試算)
もしお金に働いてもらえれば、少し専門的な言い方とすると「3%で複利運用した場合」には、約2,600万円になります。何もしなかった場合とその差は1,000万円にもなります。
資産運用の世界では”3%”は、そこまで高いハードルではないので、しっかりと知識とスキルを身につければもっと増える可能性もあります。
そうなれば、
「老後のために、今すべてを我慢しなければならない」
「独身だから一人で頑張って働かなければならない」
「体力が衰えてしまっても、生活のために無理して働かなければならない」
という「〜ねばならない」から解放されて、自分の自由な選択肢のなかから選ぶことができるようになるんです。
人生は一度きりです。後悔しない人生のために「お金を増やす」力を味方につけていきましょう。