2021年、お金で夢をあきらめない。

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明けましておめでとうございます。
ファイナンシャルアカデミー代表の泉 正人です。

新型コロナウィルスが未だ猛威をふるっている状況ですが、皆様お身体に変わりはありませんか。

2020年は、新型コロナウィルスに翻弄される1年となりました。
ファイナンシャルアカデミーの講座運営も少なからず影響を受けました。

まず3月末の時点では、3密を避けるため、受講生の皆さんがスクールに通えなくなってしまいました。そこで私たちは講座の運営体制を見直し、3月末からオンラインで受講ができるシステムを急ピッチで整え、テスト開催を繰り返しました。なかなか外に出られない状況下で、このオンライン受講というスタイルは受講生の皆さんからも高い評価をいただき、その結果、7月には新たにオンライン校開校に至ることができました。

このオンライン校は、あっという間に大人気となりました。
これまで、教室受講だと遠慮してしまってなかなか質問できなかった人も、オンライン校であればチャットで気軽に質問もできるため、むしろオンラインのほうが授業後の評価が高い状態となっているのです。コロナの影響といっても、全てが悪い方向に行くわけではなく、新しい発見や学びがあると感じた出来事のひとつです。

コロナウィルスの脅威にさらされた私たちは、自身の健康を守ることはもちろんのこと、自身のお金について考えることの重要性を目の当たりにしました。

これまでは、「老後までに2000万円」や「ミリオネア(1億円)」「ビリオネア(1000億円)」など、「金額」が経済的豊かさの基準でしたが、コロナの影響で「経済的豊かさの基準」が変化したように思います。これまで「金額」で測っていた豊かさの基準が、「どれだけの期間、豊かでいられるか」という「時間軸」で測るようになったのです。

たくさんのお金を持っていても、支出が多ければあっという間に豊かではなくなります。多くの固定費を抱えた企業や、多くの固定支出のある個人は、たとえ現預金の「金額」がたくさんあっても、そのこと自体が豊かさとイコールになるわけではないことを痛感しているかもしれません。このように、豊かさの基準までもが、コロナによって大きく変化してきていると感じています。

昨今、サスティナブル(=持続可能な)という言葉をよく耳にするようになりました。
サスティナブル、と聞くと地球の自然環境の維持をイメージする人も多いかもしれませんが、ここには本来、もっと広い意味が込められています。そして、サスティナブルな社会の実現には、私たちが安心して生活を送り続けるための経済環境を維持することも不可欠です。

日々ニュースで国や自治体のコロナ対策の予算追加についての報道がされています。感染拡大が治まらない状況下では仕方のないことではありますが、ではその予算はどこから来ているのでしょうか。

知っての通り、日本の対GDP比の債務残高は世界第1位です。借金だらけのこの国で、予算は決して「湧き出てきたお金」ではありません。そのツケは必ず私たち自身にまわってきます。明るい未来を切り開いていくには、これまで以上に、私たち国民一人ひとりが、「どれだけの期間、豊かでいられるか」を意識し、自分自身で生活を守っていくことが求められてくるでしょう。

こうしたことを多くの人が感じてか、感染が広がるにつれ、資産運用に興味を持つ人がぐんと増えました。特に2020年3〜5月には、多くの証券会社で新規口座開設数が過去最高となりました。これは、言い換えれば、2020年は日本に新たな「投資家」が多く誕生した1年であったとも言えます。

しかし、投資にはリスクがつきものです。しっかりと勉強せず、運や勘に頼ってやって利益が出るという簡単なものではありません。正しい知識を身につけないまま行なうことは、そもそも「投資」でも「資産運用」でもなく、ただの「ギャンブル」となってしまいます。

また、ひとくちに「投資」や「資産運用」と言っても、そこにはまったく異なる2つの意味が含まれています。

1:資産形成:資産(お金)を運用して増やす
2:資産保全:資産(お金)を運用して(減らさないように)守る

言葉こそ似ていますが、この2つの資産運用方法はまったく異なるのです。そして、この事実にほとんどの人が気づいていません。

特に注意が必要なのは、WEBや書籍などで見かける一般的な資産運用の情報は、2つ目の「資産保全」について語られているものが多いということ。つまり、「お金を増やすための情報だ」と思っているのに、実はそれは「資産を減らさないためにするための情報だった」ということなのです。

このことに気づかずに、資産保全のやり方で資産運用を続けていても、当然ながら思うように資産は増えません。そして「コツコツ続けていればそのうち増えるだろう」と何十年と続けた後に問題が表面化するのです。でも、何十年経ってからではもう手遅れの場合も多く、何より機会損失は計り知れません。

あなたが望んでいるものは「資産形成」ですか?「資産保全」ですか?

この答えを明確に持ち、目的に合った手段を使って資産運用を行っていくことが、絶対に必要です。
「今、大きな資産は築けていないけれど、豊かな未来のために、これから資産を増やしていきたい!」という人が、リスクを回避しようとするあまり、資産保全の運用方法を選択していたとしたら、豊かな未来は訪れません。
そして、実はこういう基本中の基本ですら、お金の勉強の後進国である日本では誰も教えてくれないのです。

2020年は、株式市場の盛り上がりを受けて資産を大きく増やした人と、収入や資産が減ってしまった人と、大きく二極化しました。
これは、年齢や性別、職業などに関係なく、すべての人が、自分や家族の生活を守るため、お金について学ばなければいけない時代に突入した、ということでもあると感じています。

そして、私たち一人ひとりがお金について学び、積極的に経済活動に参加していくということは、自分や家族の未来を守るだけでなく、夢の実現にも近づき、さらに日本全体の活性化にもつながっていきます。コロナの感染対策も必要ですが、落ち込んでしまった実体経済への対策も必要です。そしてこの対策の費用をこれ以上、国や自治体の予算に頼り、私たち自身の未来から「前借り」するわけにはいきません。一人ひとりが消費や投資を通じてお金を循環させ、経済を活性化することこそが、未来への負債を残さない、サスティナブルな経済環境の実現につながっていくのです。

2021年も私たちファイナンシャルアカデミーは、子どもから社会人に至るすべての人に、豊かな未来を実現するための金融経済教育の普及活動を行なっていきます。

どうぞ、よろしくお願いいたします。

ファイナンシャルアカデミーグループ 代表 泉 正人

著者プロフィール

泉正人

日本初の商標登録サイトを立ち上げた後、自らの経験から金融経済教育の必要性を感じ、2002年にファイナンシャルアカデミーを創立、代表に就任。身近な生活のお金から、会計、経済、資産運用に至るまで、独自の体系的なカリキュラムを構築。東京・大阪・ニューヨークでスクール運営を行い、義務教育で教わらない「お金の教養」を伝えることを通じ、より多くの人に真に豊かでゆとりある人生を送ってもらうための金融経済教育の定着を目指している。

『お金原論』(東洋経済新報社)、『お金の教養』(大和書房)、『仕組み仕事術』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)など著書は30冊累計130万部を超え、韓国、台湾、中国で翻訳版も発売されている。

ファイナンシャルアカデミーグループ代表。
泉自身が講師を務める月額動画コンテンツ
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