創立15周年を迎えて感じていること。

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私がファイナンシャルアカデミーを創立してから、今日で15周年を迎えました。
受講生、社員、講師等たくさんの方々に恵まれ、そして支えられて、ここまでくることが出来ました。本当にありがとうございます。

創立当時を振り返ってみると、私自身が経済的な不安を抱えていました。
それを解決するためにお金の勉強がしたいと思い、300冊以上の本を寝食を忘れて読み漁りましたが、一人の成功体験や、一つの金融商品を推奨するものばかりで、答えが見つかりません。そして、片っ端からマネーセミナーにも参加したのですが、専門家と呼ばれる講師の話のほとんどが、主催者側に寄ったポジショントークで、正しい解決方法を見つけることができませんでした。

お金の不安や疑問を解決するための、正しい答え。
金融商品を売るためではない、中立的な立場での答え。

それが学べる場がないのであれば、自分で作ろう。
そう思って、15年前に立ち上げたのが、ファイナンシャルアカデミーなのです。

それが、15年経った今、延べ受講生は42万人を超え、経済・金融・教育・法務の分野から錚々たる方々をアドバイザリーボードに迎え、東京・大阪・ニューヨークで展開する「お金の学校」となりました。

15年間を振り返ってみて、大きく変わったこと。
それは、学びの内容が、単なる知識から「学問」になったことです。

お金を大きく増やしてもすぐに失ってしまう人、安定して増やし続ける人。
節約だけでうまくやっている人、節約だけでは問題が解決しない人。
お金を使ってお金を増やす人、浪費ばかりで減らす人。
起業してうまくいく人、いかない人。

何百人、何千人もの事例を見るなかでお金とうまく付き合うためには7つの要素があることがわかり、それが「お金の教養」という、リベラルアーツになりました。

一方、この15年間で思うように変わらなかったこと。
それは、金融経済教育が、日本という国の隅々まで行き渡っていないことです。

終身雇用制度や公的年金制度の崩壊が危ぶまれ、ますます自助努力が求められてきている社会にあっても、金融経済教育はいまだに義務教育に取り入れられていません。金融経済教育が、学問教育・職業教育に続く「第3の教育」として、義務教育に取り入れられる日を見届けなければなりません。

「お金の、答え。」
これは、私が企画から関わり、2017年6月1日号として発売された、雑誌『BRUTUS』のタイトルです。
読んでいただけた方はお分かりかと思いますが、実は『BLUTUS』を読んでも、お金の答えは出ていません。思考のフレームをBRUTUS風に表現し、そこから一人ひとりが自分自身のお金の答えを見つけてもらいたいという想いがあったからです。

お金の不安や疑問を解決するための答えを学べる場を作りたい。
ーーそんな想いから作ったファイナンシャルアカデミーですが、お金の答えを出すことは、想像以上に簡単ではないことに、今、改めて気付かされています。

なぜなら、お金はそれ自体が目的になるものではなく、人生を豊かにするための道具にすぎないから。

「どんな人生を送りたいのか」
「豊かな人生とは何なのか」

私たち一人ひとりが、自分と対峙し、答えを出さない限り、お金の答えは見えてこないのです。

ファイナンシャルアカデミーが、今まで、そしてこれからもやっていくべきこと。

それは、一人ひとりが、自分がどんな人生を送りたいのか、自分にとっての豊かさとは何なのかを考えるきっかけを提供し、それを実現するために、お金を味方につける方法を学ぶ場であり続けること。

子どもから新社会人、定年を迎える人に至るまで「お金について学びたい」と思ったときに、いつでも学べる場を提供すること。

まだまだやれることはたくさんあります。

「すべての人に、金融経済教育を」。
この信念のもと、これからも全力で金融経済教育を広げていきます。

著者プロフィール

泉正人

日本初の商標登録サイトを立ち上げた後、自らの経験から金融経済教育の必要性を感じ、2002年にファイナンシャルアカデミーを創立、代表に就任。身近な生活のお金から、会計、経済、資産運用に至るまで、独自の体系的なカリキュラムを構築。東京・大阪・ニューヨークでスクール運営を行い、義務教育で教わらない「お金の教養」を伝えることを通じ、より多くの人に真に豊かでゆとりある人生を送ってもらうための金融経済教育の定着を目指している。

『お金原論』(東洋経済新報社)、『お金の教養』(大和書房)、『仕組み仕事術』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)など著書は30冊累計130万部を超え、韓国、台湾、中国で翻訳版も発売されている。

ファイナンシャルアカデミーグループ代表。
泉自身が講師を務める月額動画コンテンツ
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