投資の活動方針の見直し
9月末には最初に申込みをしていた四谷三丁目の物件(通称:岩城滉一)の売買契約・決済契約も無事に終了した。
なお、今回の2物件で練習できなかった「融資」も経験してみるべく、日本政策金融公庫の「事業の運転資金融資」なるものにも申請してみた。(この制度は不動産に限らず事業への資金融資なので、まずは自分のお金で物件代金を立て替え、後追いで公庫からの融資を受けることができる)
初めて作る不動産の「事業計画書」も気合を入れてみっちり記入してみたが、よくワカラン理由であっさりと申請は断られてしまった。
公庫の融資NGを経て、さらに融資は「こわい」「面倒くさい」という未知数ゆえのイメージが強まった。
しかし、最初の2件を現金購入してしまったので、次からは融資を活用しなければ手持ち資金は減るばかりだ。それより、不動産投資のメリットであるレバレッジ(銀行から借金をすることで手持ち資金を確保+家賃収入のキャッシュフローを貯めて、さらに大きな物件を購入する)の恩恵を受けることができない。
私は家計管理アプリの激減した資産残高をアンニュイに眺めながら「やり方を変えねば…」と思った。
不動産仲介業の役割とは
とりあえず私は物件視察のペースを落とした。
(先の2物件の経験で、うっかり見に行くと「惚れてまうやろー!」状態になるリスクもちょっぴり感じていたので)
物件視察に変わって、融資に強そうな仲介業者と次々と面談する動きへとシフトした。もちろん先々は自分独自で銀行へのルートを作る必要はあるが、まずは既に金融機関とリレーションを持っている仲介を活用した方が生産的だと思ったのだ。
様々な仲介会社と面談を繰り返し、金融機関の縦のヒエラルキーや横の情報リレーション、または融資のカラクリ・実情など情報収集を行った。
その過程で出会った「仲介T社」に私は非常に好感を持った。
前述したように歴史ある不動産投資の世界。当然、登場人物はいぶし銀…と言えば聞こえはいいが、要はオッサン社会。中には昔とった杵柄だけで飯を食っているようなスれたオヤジも多い。
T社は若い兄弟2名(以降、Tブラザーズと呼ぶ)が中心で立ち上げた社員数名の会社だ。 最初会った時はヒョロリとしたもやしっ子のような風貌の2名に「こんな鼻息で吹っ飛びそうな青年達が不動産の世界でやっていけるのか」と心配になったほどだった。
が、見た目に反して、二人は非常に知識豊富なことに加えて、勉強熱心だった。 私の質問に対し、全て手作りの資料を元に説明をしてくれる。パワーポイントを使い慣れていないのか、色使いや図形がことごとく斬新なテイストで微笑ましい。
いずれにしても、大手仲介のような定形の分厚いパンフでもなく、おっさん仲介のような老獪口頭トークでもない。全て「自分たちがきちんと説明ができて、相手に理解を促す」という目的に立脚して作られた資料だ。
私は素直に関心した。 と同時に、若い二人がこの世界で頑張っているのを素直に応援したくなった。(ヤバい熟女っぽいが)
もちろんそれ以外の魅力として、彼らは筋の良い物件情報と、某大手地銀の本部にダイレクトにアプローチできるルートを持っていたりもした。
実は不動産投資活動を開始した当初は、検索サイトなどで自分で検索をして、自分で問い合わせをして、自分で現地に行って、「仲介業者の不動産屋って何をしてくれるんだろう?」と疑問に思ったこともあった。
しかしTブラザーズは熱心に私の細かな要望に対してチューニングを加えてくれたり、アドバイスもくれる。 紹介してくれる物件は自ら現地に足を運んで「こっちの裏道から行くと夜は少し物寂しい」など、デメリットと思える点も教えてくれる。
また、なぜか「おじいちゃん大家」に愛されており、レインズ(不動産業者だけがアクセスできる物件のデータベース)などには出回ってない商売っ気のない価格の地場系物件もよく紹介してくれた。
10月下旬にTブラザースとは出会って、私は物件視察を再開した。
「物件を紹介してもらい、現地視察&フィードバックをした上で、そこをカバーする物件をまた紹介してもらう」というサイクルが回りはじめた。
最初は手広く色々な仲介業者と面会をしていた私だったが、この頃はTブラザースをはじめ、3社ほどの「金融機関にルートがあり、情報提供のスタンスが信頼できる会社」にやり取りルートを集約していった。
関係性が構築されていき、向こうが頑張ってくれればくれるほど、「ああ、この人の仲介で買いたいな」とシンプルにそう思っていた。
投資家として次のステップを目指して
季節はすでに秋に変わっていた。
最初に購入した2物件からはきちんと家賃も振り込まれていた。
西新宿の物件からの初家賃収入では記念にグランドセイコーの腕時計を購入した(ヤフオクだけど)。
四谷の物件からの初家賃収入ではモンブランのボールペンを入手した(メルカリだけど)。
完全なるピント外れな考え方だが、契約の際などにチラ見せするグッズで仲介や売主に「こいつ、ホンマに買えるんか!?」などと足元を見られたくない、というスケベ心があった。
というより物件視察グッズもそうだが、私は何事もカタチから入りがちだ。カタチが整うことで、行動にドライブがかかるタイプだ。
グッズを仕入れては、ほんのりと思い描く「アラフォー不動産投資家」然とした見た目に近づけつつあった。 それは、不動産投資の活動を最初の2物件で止めることなく、さらに突き進む決意を固めたことも意味していた。
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参考までに:不動産仲介に伝えてていた物件条件(当時のメモより転記)
【物件条件】
・価格1000万前後&利回り7%以上 →価格そのものより、税引き後利益としてキャッシュが出る融資が組めることが第一条件
・築年数1885年〜1995年前後(=RCで耐用残20年以上があると嬉しい。築浅すぎて物件価格が上がりすぎるのはNG)
・家賃収入6万以上程度(7万以上あるとなお可)
・管理費などの月固定費1.2万程度(=家賃の15%以内)
・最低15㎡以上(内法測定時)
・戸数が少なすぎない。30戸以上が望ましい
・1階は避けたい(ハザードマップ2メートル以上のエリアでは3階以上はマスト)
・管理状態が良好であること(建物そのもの。部屋の内装は問いません)自主管理は基本不可
・オーナーチェンジ物件。賃貸人の保証人が親族であり、更新2回以上あると望ましい
・権利は所有権に限る
【エリア】
・都心部であればあるほど良い(郊外でも空室リスクがない人気のエリアなら可)
◎山手線内側
◎地下鉄が通っている駅
◎笹塚、自由が丘、下北、三茶、ムサコ、など若者賃貸ニーズがあるエリア
◎清澄白河、門仲、根津、浅草など独自ブランドがあるエリア
◎東横線、中央線、の前半(都心に近い)駅
◯赤羽、川口、大森、川崎、北千住など駅前が賑わっている駅
・徒歩12分以内
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