一戸建ての物件ですが、ついに今日契約完了いたしました。
かなり謎の多い物件でしたが、ある程度のリスクも理解した上で、メリットの方が多かったので、買付を入れて契約に結びついたのです。では、その一部始終を見よ!(マネーの虎風に・・・)
ある晴れた真夏日、始めて見たこの物件は、はっきりいって魅力のないダサイ物件だった。玄関からみても、裏から見ても、横から見ても、遠くから見ても、ダサイ。ボクだったら住まないだろうこの一戸建ては、70歳近い老夫婦が10年以上前から住んでいる。
いくらダサイと言っても、人が住めないわけではなく、ちゃんと日もあたるし、一応りっぱな二階建て3DKのお家だ。前にも書いたとおり、1,000万円で売りに出ているこの物件は、家賃10万円なので、利回り12%。これは土地付き一戸建てとしては悪くない数字ですよね。
興味を持ったボクは、この周辺の環境をよ〜く調べた。まずこの物件に、ほぼ毎日行った。平日の朝、昼、夜。休日の朝、昼、夜。さらに晴れた日もあれば、雨の日も。。。さすがに春夏秋冬まではみれなかったけど、かなり色んな状況の時のこの地域の環境を自分の目で調べてみた。
家から車で10分くらいのところなので全く知らない土地ではなかったけど、住んだこともないし、友達もいない。ましてや通ったこともなく、坂の多いこの住宅街は、ボクにとってまったく未知の場所だった。
結局は買付を入れることになったのだが、それまでに7~8回、それから契約までに5~6回程通い詰めた。(ちなみに初めて物件を見てから買付を入れるまでは一週間位だった)
なんでここまでしたのかというと、利回りが良かったから!
将来にわたってお金を生み出してくれる資産になるんだから、その調査に時間をかけるべきだとボクは考えている。たったの10数回足を運ぶだけで、毎月10万円のお金を生み続けてくれるこの家は、ボクにとっては大切な資産になるかもしれないし、そうなったらとてもかわいく見えてくる。どんなに疲れていても、夜遅くても、「彼女の顔をひと目みたい!」という若き頃のボクの気持ちにタイムスリップした感じ。。(そんなウブな時もあったんですよっ)
買付を入れるきっかけになった点ですが、まずは利回りが良かったこと。これは当たり前ですが、投資なので数字で見ることが重要。利回りが良くなければ買う価値はありませんよね。
次に、買い手が売りを急いでいたこと。これは重要視していない人も多いと思いますが、結構重要なんです。なんでかって?だって、売りを急いでいるってことは、早くお金が欲しいって事ですよね。こういう場合は、価格交渉に有利になるんです。不動産屋さんに聞いてみると、すぐにでも売りたがっているということなので、「こりゃ、いけるぞ!」と思っていました。(もちろんその分、売りたい理由も聞かなければいけません)
不動産屋さんと話している内に、ある銀行から借入れしているとのことで、900万円程ローン残高が残っているということで、この返済の他に、仲介手数料などを入れてマイナスにならない程度で売りたい、という事だったので、結局950万円で買付を入れてみた。ホントはもう少し値切りたかったのですが、他の人に取られる可能性もあるので、この位で手を打つことにした。結局、買付を入れたその日にOK返事があり、早急に手続きを進めたいという話しになったのでした。
ちなみに、950万円で買ったので、利回りは12.6%となった。。。
次に、空室リスクが限りなく少ない、と言うことでした。この老夫婦はと〜っても元気で、10年以上住んでいて、ここが場所、近所づきあい共に気に入っているらしい。また息子が近くに住んでいると言うことだし、70歳を過ぎた方に家を貸すオーナーが少ないので、引っ越しはまず考えないだろう。と予測した。もちろん足腰が弱って階段が上れなくなったり、老人ホームに入居したりした場合は別だが、まだまだお元気な老夫婦は、新婚さんと違って引っ越しのリスクは少ないと思う。
その他に、何度も通ってわかったのだが、洗濯物の干し方が几帳面!こういうところが結構重要で、洗濯物やゴミの捨て方、等を見ると、その家庭の様子が良くわかる。この家には一度も入ったことがないが、おそらくきちんと掃除がされていて、きれいに管理されていると思う。
まだまだプラスとなるところはいくつもあったが、敷地面積が狭い、築年が古い、などのデメリットよりも、メリットや将来性の方が上回ったので、この物件を買うことに決めました。
買付を入れてからその不動産屋さんと仲良くなったので、色々本音で教えてくれるようになりました。
ボクが不安に思っていた賃借人(老夫婦)がトラブルメーカーだと思っていたことですが、そうではなさそうだと感じてきました。一時、所有者が老夫婦に家を売るだの売らないだの・・・という話しになり、価格交渉の際にもめたそうです。もう10年も家賃を払っているんだから安くしてくれ、だの言ってきたが結局、老夫婦のローン審査が通らずに、買えなくなってしまったとのこと。それからは全く文句も言わず、普通になっているということでした。これで一安心。。
その他、建物の老朽化などですが、昨年に屋根の雨漏り、壁のひび割れなどの修繕工事をやっているとのことで、今のところ問題はないとの事。
でも、問題が一つ増えた。 売主側の不動産屋さんですが、ちょっととぼけているんです。
前回買ったワンルームマンションの仲介をやって頂いた不動産屋さんは、と〜ってもしっかりしていて、何から何まで事前にそろえて、ちゃんと説明してくれて、スムーズに進んだのですが、今回は「あれは?」「これは?」と一つ一つ確認していかないと、資料も出てこないんです。これにはボクもボクの知り合いの不動産屋さんも困った。
重説の際に初めて顔を合わせたのですが、その時は素人のボクにもわかるように、一つ一つ説明してくれて、さらにかみ砕いて話してくれました。とても人の良い感じの方でした。(ちょっとびっくり)
※重説とは・・・・・・・・・
重要事項説明書の略で、売買契約をする前に、その物件に関する説明を行うこと。これは必ず行わないといけないことになっている。通常、この説明をうけた時点で、納得の上、売買代金の10%相当の手付金を払うことが多いようだ。
なお、重要事項とは、その物件の住所、所有者、建築基準、全面道路(接道)、私道負担、水道・ガス等の設備等のことを指すようです。
資料もちゃんと用意しており(当たり前だけど)、今まで一つ一つ確認していたのがウソみたいにちゃんとそろっていました。。。
この際、問題もなく手付金100万円を支払い、手付金を納めました。
この一週間後に、最終契約と残金決済が待っています。ここでは、売主、買主、それぞれの不動産屋さん、司法書士の人が集まり、残金の決済を行うのですが、ここで不動産屋さんのおとぼけぶり発揮!
なんと、物件のカギがない!んですって。
そんなはずないでしょ〜。それも残金決済も終わり、書類手続きも終わろうとしている頃、ボクから聞いて初めて口に出した言葉。売主さんに聞いたら、「昔のことなのでなくしちゃった・・」と軽く言っているので、合い鍵をもらう為、その場で賃借人に電話してもらうことに。
そうしたら、なんとカギが壊れていることが発覚。ふ〜っ、あぶない、あぶない。。玄関のカギが外から閉めれないんですって。いつも誰か家にいる家庭だったので良かったようですが、二人とも外出するときは勝手口から出入りしていたんですって。
結局、売主の方でカギを交換することになり、その合い鍵を後日送ってもらうことになりました。もしここで聞いていなかったら、いきなりボクがカギ代を負担しなくてはいけなくなっていたかもしれません。。。これ売主側の不動産屋さんは知ってたよ、絶対。でも言われなければばれないと思って、黙っていたんだと思います。だって、物件の引き渡しするのに、カギを忘れている不動産屋はいないでしょ。
と、少しの問題もありましたが、無事契約も終了。
早速、賃借人に電話して、ご挨拶と、今月末からの家賃振込先の変更のお願いの連絡を。気の強い旦那さんだと思っていたのですが、と〜っても穏やかな(に感じただけかも)おじいさんでした。しゃべり口調も丁寧で、あきらかに年下のボクに横柄な態度を取ることもなく、無事挨拶も終わりました。
今月末から家賃振り込みが楽しみだ。また楽しみが一つ増えちゃった。。。
このコラムは2008年の情報を元に制作しております。