資産が増える「お金の脳トレ」

3分でわかる!日本円はなぜ低リスク通貨?

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<質問> 新聞で「経済が停滞するとの警戒感から、低リスク通貨とされる円に買いが入った」という記事を見ました。日本政府の膨大な借金を見て、違和感を感じるのですが、なぜ日本円は低リスク通貨なのでしょうか?

 

<回答> ご指摘の通り、日本は少子高齢化で人口が減少し続けているうえに、膨大な政府債務を抱えています。さらに経済成長率も先進国の中では最低レベルとなっており、日本の通貨が低リスク通貨とは理解しづらい人も多いと思います。

▷でも実際には、リーマンショックやギリシャショックの時など、経済の停滞期には、日本円が世界中から低リスク通貨だと判断され、円が買われて円高になりました。

ファイナンシャルアカデミー代表が書いた「お金の教養(著:泉正人)」には、お金は5つの島を流れていると書かれています。5つの島とは、株・債権・不動産・商品・為替の5種類なのですが、その5つの島をお金は行ったり来たりしていて、より安全でより成長する島に、お金が集まってくる性質があります。

例えば株の島が、安全かつ上昇しているとします。その場合、株の島は晴天続き。たくさんのお金が集まって、ただでさえ上昇しているところに輪をかけて、さらに上昇が続きます。そういう島には、世界中からどんどんお金が集まってきます。

▷集まってくるお金は、どこから来るのか?
晴天続きの島があるということは、嵐になっている島もあり、不安定で下落している島(たとえば債権の島)があるのです。その不安定で下落している嵐の島から、晴天の島にお金が流れることで、世界中のお金がバランスして、それが経済とつながっていくのです。

新聞記事で見た「経済が停滞するとの警戒感から、低リスク通貨とされる円に買いが入った」ということは、株などの島が激しい嵐になりそうだという警戒感があるので、株の島からお金が逃げ出し、安定して晴天になるであろう日本円という為替の島にお金が流れてついている、ということなのです。

▷世界経済が嵐になったときに、なぜ日本円という為替の島は晴天になるのか
それは諸説ありますが、日本のデフレが続いている(裏を返せば通貨の価値が上がっている)、低金利国である(20年以上前から日本銀行はゼロ金利政策を打ち出している)、世界最大規模の対外純資産があること(経済ショックが起きると日本の投資家が大量に海外資産を売って資金を日本へ引き上げるという行動が誘発され易い)など、様々な要素が重なりあって、日本円は低リスク通貨とされているのです。

つまり世界中で流れているお金の特性を知り、人よりも先に「晴天になるであろう島」を見つけることができれば、私たちは資産を増やすことができるようになるのです。

経済という一見複雑に思えるものでも、その構造を知れば実はシンプルなので、それを知ることで、安定した着実な資産運用ができるようになるのです。

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