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一括借上げ契約(サブリース)は本当に安全か?

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<質問> 不動産販売会社の人から、入居者がいなくても家賃収入が保証される仕組みがあると聞きました。確かにこれを利用すれば、リスクなく不動産投資を行えそうですが、本当にそんな「うまい話」があるのでしょうか。

 

<回答> 家賃収入が保証される仕組みは存在します。それをサブリース(一括借上げ契約)といいます。

▷しかし、一見、とても良い仕組みに思えたサブリースですが実は問題点も多いのです。

サブリースとは、オーナーが持っている賃貸物件を業者側で一括で借り上げて、固定の家賃(例えば30年保証)を払い続ける仕組みです。この契約によるサブリース業者が保証する賃料は、本来賃料の80%〜90%とされているのが一般的です。つまり、サブリースを活用する場合、本来賃料の10%~20%の費用がかかることになります。

これにより、入居者との賃貸借契約やクレーム対応、建物の維持管理などの煩雑な作業をサブリース会社にまかせることができ、さらには入居者がいるいないにかかわらず、オーナーはサブリース会社から家賃を受け取るだけという状況を作り出すことができるのです。

「例え10%~20%の費用がかかったとしても、この先ずっと空室リスクがなくなり、安定した家賃収入が入ってきたほうが全然いい。」と考えた方も多いのではないでしょうか。

しかし、そのように考えた方は要注意です。このようなサブリース案件の問題点を確認し、トラブルに巻き込まれないようにしましょう。


▷①保証期間が30年だったとしても減額されることがある
空室の有無にかかわらず、毎月の支払いを約束することにはなっていますが、30年保証されるはずだった賃料の減額を求められるケースが次々と起こっているのです。「家賃保証」などといっても、それは家賃を支払うこと自体を保証するものであって、家賃の「額」を保証しているものではありません。

通常の個人にお部屋を貸し出す場合と同様に、サブリース会社からオーナーであるあなたに家賃の値下げ交渉が当然のように行われることがあるのです。

30年間ずっと変わらずに安定した家賃収入が入ってくると思っていたら、大きく減額されてしまい、月々の収支がマイナスになってしまう、なんていうことにもなりかねません。

つまり、サブリース契約では、あくまでも「30年一括借り上げ」であり「30年一律家賃保証」ではないのが実態なのです。

▷②サブリース会社から一方的に契約を解除されることがある
30年一括借り上げとはいっても、通常、サブリースの契約は2年ごとに更新があります。その時に両者の合意がなされれば、サブリース契約を継続することとなります。しかし、その更新時にもし、サブリース会社から解約の申し出があったとしたらどうでしょうか。

「30年間家賃収入が保証されているから、この物件を買ったのにそんなバカな話があるか」と思った人もいるでしょう。

ですが、これは決して珍しい話ではありません。サブリース契約では更新時にサブリース会社が一方的に契約を解除することができると明記されていることが一般的なのです。

たとえサブリース契約書の中で「中途解約を禁止する」という条項があったとしても、それが「普通建物賃貸借契約」である限りはその条文は無効とみなされてしまいます。

サブリース会社といえど、借主の利益を一方的に害する特約が無効となり、借主の中途解約が認められる場合があるので要注意です。

例えば、サブリースで家賃が入ってくるならば、と全く需要のない地域に物件を買ってしまったとしましょう。そんな状態で、頼みの綱のサブリース契約が解約されてしまえば、当然入居者がつくはずもなく、多額のローン返済だけが待っている・・・というような最悪のケースもあり得るのです。

サブリース契約はセールストークだけを鵜呑みにしてしまうと、「はしごを外されて」しまい大損をしてしまうこともありますので、十分に注意しましょう。

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