「息の長い」成功者になるためには 天才! 成功する人々の法則
著者:マルコム・グラッドウェル
出版社:講談社 (2009/5/13)
こんな人、こんなシーンにおすすめ
- 就職や転職先に悩む若い人
- 独立しようかと思っている勤め人の人
- 投資家としてのポジショニングに悩んでいる人
ジョブズやゲイツの成功の秘密を探る
本書は歴史を塗り替えるほどの大成功を収めた人に共通する点について、実際の事例を元に解説しています。
スティーブ・ジョブズやビル・ゲイツ、芸能面ではビートルズといったいわゆる誰もが認める「成功者」にはそれぞれ共通点があります。若い時に偶然手に入れた貴重な「出会い」、そしてその出会いを成功に変える、その後の「10000時間」の努力があるのです。
それ以外にも「人と違う道で努力を続けること」の大切さなど、人生の岐路に立った時に参考になる一冊です。
成功に必要な「運」と「努力」と「日陰道」
これは私自身が、勤め人から自営業に切り替わる時に読んで非常に感銘を受けた一冊です。
人間誰でも「成功」というぼんやりしたものを達成したいと思っているものだと思いますが、いわゆる「成功者」と言われる人のその要因について、豊富な事例をもとに解説した良書です。
本書で言及されている成功者の共通点「若い時に偶然得た幸運」というのものについては、「そんなのなかったよ」と思う人もいるかもしれません。が、彼ら成功者は普通の人が「幸運」だと当時思わなかったものに食らいつき、または自分から行動してその「幸運」をつかみ取ったということなのだと思います。
そうしてつかみ取った「幸運」に10000時間の「努力」を加えることで、大きな成功を成し遂げるという話は実に励みになりました。「努力」という抽象的な概念に、事例から「10000時間」という分かりやすい目安を置いたのも非常に役に立つと思います。
またそれに加えて、成功者の条件たる
・人とは違う道を進む
・コミュニケーションを大切にする
という実際の事例は、現在海外ビジネスを展開するきっかけやその後の商売のやり方の基礎にもなった言葉で、今でも役に立っています。
この考えは実際不動産投資にも生きるかもしれません。
他の人がしないような努力を積み重ねることで良い物件の目利きができるようになり、コミュニケーションも大切にすることで、さらに良い物件情報がより早く手に入ったり、より良い条件の融資が引き出せたりする…投資の方向性などに悩んだ時にも読みたい一冊です。
書籍の評者
野瀬 大樹
公認会計士・税理士
大手監査法人にて、株式公開支援業務や法定監査業務などに関わった後に独立。会計や税務に関するセミナーを多数行うほか、日本企業のインド進出を支援する法人を設立し代表も務める。
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