早期リタイアの意外な落とし穴
ここ数年でよく耳にするようになった早期リタイア。「FIRE」本の流行によって、さらにその熱が高まっています。株式会社ネクストライフの調査では、10代から60代の男女の内、78%が早期リタイアに興味があるというデータまで出ているから驚きです。
実際に早期リタイアした人の話を聞いていくと、毎日満員電車に乗る必要がなくなって心の余裕が生まれた、いつでも好きな時に旅行に行けるようになった、家族との時間が楽しめるようになったというように、ゆとりのある人生を手に入れることができているようです。働くことを強制されず、自由に時間を使うことができたら良いですよね。
特にインターネットが広く普及してからは、個人でも比較的簡単に資産運用に取り組めるようになりました。そのため、投資信託や株式投資、不動産投資を組み合わせることで、誰でも早期リタイアが実現できる時代になったと言えます。
そんな誰もが早期リタイアを実現できる時代だからこそ、知っておいてほしい、たった1つの注意点があります。それは、今のうちから早期リタイア後の「生活」を意識しておくか、していないかで、その後の人生の充実度がぜんぜん違うということです。
もしなにも意識せずに、早期リタイアが実現できる状態になった場合どうなるかというと、しがらみがなくなり自由になります。多くの人は仕事をやめて、好きな時間に起きることができる自由、趣味に好きなだけ時間をかけられる自由、ノルマや課題に追われない自由を謳歌することになると思います。人によっては世界一周の旅に出たり、日本全国行脚に出るのも良いかもしれません。
しかし、実際に早期リタイアを実現した人たちの声を集めると、半年から1年ほど自由を謳歌すると、自由であることに飽きてしまい、時間を持て余してしまうそうです。働いているうちは、もし自由に過ごせたらと思うかもしれませんが、これが365日となるとさすがに時間が余ってしまうわけです。
するとどうなるかというと、一度リタイアすることで社会との繋がりを持ちづらくなりなり、仕事や活動に復帰するのが難しくなる人が多くなります。それだけでなく、人によっては「アイデンティティー・クライシス」と言って、自己喪失による心理的危機状況に陥ってしまう人も出てきてしまうのです。
つまり、自由だけを追い求めて早期リタイアを目指してしまうと、意外にも自由を楽しめる期限を早く迎えてしまい、人生への充実が底をついてしまうということです。早期リタイアの意外な落とし穴ですよね。
自己実現を叶えて、生涯の楽しみを手に入れる
一方で、このように自由だけを追い求めると枯渇してしまうことを知っていれば、現在の仕事をリタイアする前に、なにかやることを準備しておくこともできます。そこで、今のうちからぜひやっておきたいのは、自己実現の言語化です。
言語化というと簡単そうに聞こえますが、いざやろうとすると意外に骨が折れます。例えば、自分がどんなことに興味があるのか、どんなことに幸せや楽しみを感じやすいのか、そしてそれを仕事や活動に繋げる方法がないか洗い出していくのですが、多くの人はなかなか具体的な案にたどり着かず、1年、2年経っても形にならないことがほとんどです。
ただし、ここで自己実現を諦めるのは非常にもったいないことです。このまま自己実現が見つからなければ、自由の飽和状態に戻ってしまいますが、自己実現を形作ることができれば、生涯の楽しみを見つけることができるわけです。そこで、ファイナンシャルアカデミー「自己実現を叶えるためのメソッド」では、大きく2つのポイントから自己実現に迫っていきます。
1つ目は、生きがいについての正しい理解です。世の中でよく使われる「生きがい」という言葉ですが、紐解いていくと4つの概念が複雑に絡み合っていることがわかります。その4つの概念を自分に当てはめて紐解いていくと、実は自己実現に必要なパーツが明確になります。そして2つ目は、ビジネスの基本の理解です。一見、自己実現とは関係ないと思われるかもしれませんが、自分の見つけた生きがいを社会で実現する上で、ビジネスの基本を知っておくことは大きなアドバンテージになります。
この2つのポイントを抑えておけば、自己実現が言語化しやすいのはもちろん、実際に具現化するところまでたどり着きやすくなります。しかも、リタイアするまでの資産形成期にあわせて準備できれば、いざリタイアの準備ができたタイミングで、経済的自由も、自己実現も同時に手に入れることができるわけです。
せっかく早期リタイアという夢を掴むなら、同時に自己実現も叶えて、生涯の楽しみを手に入れてみてはいかがでしょうか。